アレルギー性鼻炎とはⅠ型アレルギー性疾患でアレルギーを起こす原因となる物質(抗原)により分類されます。主な症状はくしゃみ、鼻水、鼻づまりです。近年アレルギー性鼻炎は増加傾向にあり約3人に1人は花粉症であるという調査結果もあります。
スギは本州、四国、九州に多く分布する針葉樹で、花粉を飛ばす雄花は夏の間に作られます。冬の間は冬眠状態となり、春になると開花し花粉の飛散が始まります。日本では約50年前から報告があります。スギ花粉の大きさは約30μmです。スギ花粉の飛散開始は、「一測定点で、1月以降にスライドガラスの1平方センチメートル内にスギ花粉が1個以上捕集される日が、原則として2日以上続いた最初の日とする」とされています。
アレルギー性鼻炎の3大症状は
スギ花粉症の場合は特に目のかゆみが強くでることがあります。
2013年版アレルギー性鼻炎ガイド
アレルギー性鼻炎の診断では、問診と局所所見の診察、検査などを総合的に行います。
これは患者さんにしかできない治療です。
「自分が何に対して、どの位の強さのアレルギーを持っているのか」を把握し、アレルギーを起こす物質から回避するのが、治療の第一歩になります。自身の体質を知る、ということは、原因物質への対策を打つことができるということです。
ダニやハウスダストのアレルギーがある方の場合には、畳やカーペット、ベッド、ぬいぐるみ等の掃除をまめに行えば症状が軽減します。
スギ花粉症の場合は、花粉情報に注意し、外出を控えたりマスクやメガネを着用することで症状を軽減させることができます。
内服薬、点鼻薬などを組み合わせて使用します。内服薬は最近では眠気のないタイプの薬も増えています。市販の点鼻薬は連用すると鼻づまりが悪化することがあるのでお勧めしません。
花粉症の場合は花粉の飛散する2週間前から内服すると、症状がでてから内服を始めるよりも症状が軽くすむということがわかっています。
スギ花粉症とダニ対しては舌下免疫療法が開始されています。
治療期間が長く、時間はかかりますが、唯一寛解が得られる治療方法です。
鼻づまりが強い人には特に効果があります。レーザー手術は外来でも受けることができますが、効果には個人差があります。